思い過ごしも恋のうち

ポケットをいっぱいにしたい高校生 タイトルは真情と魅了された1曲

原曲キーのレンジャーとヒーローとギター

『原曲キーで歌わせて』。

霜降り明星オールナイトニッポンは、2020年、いくつの伝説を作るんだろう。

色んなことを味わって、乗り越えて、戦ってきた、芸人霜降り明星せいやの情熱。

 

無秩序に、止めどなく溢れる言葉やメロディなのに、歌詞の一言一言、どんどん移り変わっていく曲風が、何よりもリアルにせいやさんの心情を物語っていて。

 

明るいコードから切ないアルペジオ、素直な叫びや柔らかい歌声。

お笑いを愛し、お笑いに愛された男・せいやさんも多面性のある人の子で良かったなと思ったし(?)、少しでもラジオでそんな姿を見せてくれて、1番に私は安心した。すごく。

 

何度も聴いて、少しだけ、思ったことを書きたました。クオリティなど求めないでくれ給ふ。

 

『お前に伝えられない

お前は俺に伝えるけど

俺は恥ずかしいからメロディにしか乗せられない、だから原曲キーで歌わせて』

 

私はこの一部分に、ものすごくせいやさんらしさを感じた。

正直に感謝や愛情を伝える粗品さんに、照れていたり「ようシラフで言えるわ!」と笑っているせいやさんをよく見たことがあったから。

 

せいやさんのお笑いは、一言で表現すると「エネルギー」だと思っている。

 

せいやのなんなんじゃそりゃ、単語ダービー、モノマネ、彼のピンネタは常に内面から溢れるお笑いのエナジー、熱量に満ちている。

そんな芸風からも、世間では理性的な粗品と本能的なせいや、と見られていることが多いと思う。

一方、実際は真逆。

マネーエンターテインメントとしながらも、

平気でギャンブルに大金を賭けたり、ファンにもすぐ怒ったり、甘えたり。

好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと素直に表現できる粗品さん。

一方、せいやさんは本当に長男気質。

これに尽きる。

溢れるリーダーシップや人懐っこさ。

弱みや本音をあまり見せない所。

全てを笑いに変換するストイックさ。

そして、強すぎるくらいの責任感。

 

自責的なせいやさんの様子を見かけるたびに、危うくて心配になることが何度もあった。

 

例えば先日、せいやさんがラジオに遅刻してしまった時。

爆笑している粗品さんにボケることなく、土下座しながらブースに入ってきて、服装もインナーに裸足。

リスナーさんのメールから生まれた「罰ゲームで陰毛を抜く」ノリ。モめる事を想定していた周りとは裏腹に、せいやさんは驚くほど冷静で。

「これでやっと埋め合わせできる」

「本望ですわ」

「これで償えるなら…20本でいいですか?」

その後、淡々と抜き出したせいやさんを周りが止めるという見たことない流れになった。

 

そして、記憶にまだ新しいバンジージャンプ

zoomの件あった、zoomの件あった、と何度も自分に言い聞かせて、最後。

「あいつにあんだけ迷惑かけたやんけ、」

そう言って飛んだせいやさん。

 

そんな彼が問うた、

「人に迷惑かけながら生きてもいいですか」

その言葉はあまりにも重くて。

並々ならぬ想いがこもっていたと思う。

 

『自分にしか冷たくない』せいやさんはすごく強い人だ。

太陽みたいに誰にでも明るくて優しくて、なのに自分には責任感で冷たくしてしまう。

 

あの一件の後に生まれた伝説のポケひみ回でも、せいやさんは想像できないほど辛い思いを秘めていたはずだ。

だけど、周りに心配をかけたくなくて。

霜降り明星せいやとして、思いっきりお笑いを貫いた姿は、誰よりも格好良かった。

いつか、2人が言っていたことがある。

 

「あの日がラジオ最後になっても、おかしく無かった」

「ワンコインものまねも記事出る前日が最終回やと思った。やから粗品さんにも出てもらって」

粗品さんのことをこんだけ近くで見れるのも最後やと思って。握手して、粗品さんが乗ったタクシーが出て行くんをずっと見てました」

 

せいやさんが命を燃やすようにお笑いに挑んできた矜持と、刹那な考え方が滲み出ていて。

彼のどこか冷めている要素はこういう所なんだろうなと気付かされた。

 

もう一つ、繋がりを感じたこと。

粗品さんが発表した過去6曲には、随所にせいやさんらしい歌詞が登場する。

誰かを指先で、大丈夫という言葉で救いたいという想いが込められた「#みどりの唄」という楽曲には、

 

『丈夫に見えて丈夫じゃない』

『曲がらない心 真っ直ぐなの』

『よく食べてよく寝る』

『人より家族と仲良し』

 

と、温かな言葉が並ぶ。

誰よりも頑張っていることを知っている相方に粗品さんもまた、音楽の力を借りて「大丈夫」と伝えた。

せいやさんと同じように。

 

また、「君」「Mr.C」「ハニー」など、様々な二人称が用いられる中、粗品さんの処女作

「ビームが撃てたらいいのに」の歌詞には

「助けてレンジャー!」

という二人称が登場する。

もしもこの楽曲が、せいやさんとコンビを組む前の粗品さんがお笑いをしたい、そして『相方(=レンジャー」を探しているとして。

そしてせいやさんは、

「いつもお前はヒーロー」と言った。

お互いがレンジャーで、ヒーロー。

助け助けられ、補って、片方の翼になる。

恰好良くて、最強で、最高に素敵だと思った。

 

せいやさんは少年漫画の主人公だ。

周りに起きること全てを笑いに変えられる天才。凄まじい才能。

常に誰かを笑わせようとする姿勢、本当に尊敬する。

だけど、弱音も、素直な気持ちも、明るさで無理しないで見せてほしいと思う。

ひたむきで、真っ直ぐな霜降り明星2人のお笑いで、これからもたくさん笑いたい。

 

元気で笑顔で自由な、原曲キーのままでいてください。

 

霜降り明星、これからも応援させてくれよな!!!!

せいやさんなら大丈夫。

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