『第7世代のミラクルボーイ』が放つ明星的才能
せいやさん。
お誕生日、おめでとうございます。
『日本酒』という目標を掲げてスタートした2020年。
大ピンチも幸運も次々と起こるせいやさんを見ているのは、本当にわくわくさせられる。
まさに少年ジャンプの主人公そのもの。
毎分毎秒、彼を取り巻く世界は目まぐるしく 回っている。
そんなせいやさんを一言で表現するなら、私は「天才」という言葉を選びたい。
あの『ONE PIECE』作者・尾田栄一郎さんが「天才でしかない」と評したのも記憶に新しいように、今や彼が天才なのはじわじわと認知されてもいて。
そんなせいやさんが天才たらしめる理由、その才能とは何なのか?
溢れる才能の中から、恐れ多いですが一端の酒袋が3つ紹介させていただきたいと思っています。
1、【記憶】の天才
せいやさんは記憶力が良い。
しかし、そう一言で言ってしまうとほんの少し語弊がある。
せいやさんの代表的な【記憶】の能力で言うと、
・「笑っていいとも」最終回での出演者のやりとりを覚えている
・2時間強の映画を丸一本再現できる
・武田鉄矢さんの往年の名作を暗記して披露
できる
・10年前の粗品さんとの会話を覚えている
など、類稀なエピソードがたくさんある。
また、昭和にまつわる歌謡やレトロへの記憶量も尋常ではなく、冠番組などでは高齢の方とも対等に渡り合う姿を見せている。
一方。「生きるのが下手で有名なせいや大先生」というワードがあるくらいの彼は、切符を買って改札で通す数歩で切符を無くしたり、
自転車の鍵を無くしたり、解凍しようとしたハンバーグを机の下に忘れてパンッパンにしたりもする。
また、最近アップされた「しもふりチューブ」では、なかなか昭和俳優・女優の名前が出てこず悔しがる一面も見せていた。
こんな対比的なエピソードからも、せいやさんには「記憶力が良い」という抽象的な表現よりも、「0から1」型の天才ではなく、圧倒的な「1から100」型の天才、という表現が似合う。
何も無い畑に蒔くための種を発明する才能と、蒔かれた種を大きく育てる才能。
せいやさんの脳には常人を超えた莫大な量の【記憶】という名の引き出しがあるのだと思う。
その数があまりにも多すぎて、手がかりのない状態で、人の名前や次にやることを思い出すのが難しかったり、何かのきっかけが無ければ
どれが今必要な情報なのか分からないのではないか。
だけどその引き出しを引く取っ手やハンドルがあれば、関連するものも一緒に引っ張り出して、色鮮やかに記憶を再現できる。
個性が勝負でもある芸人さんの中で、せいやさんの秀でた記憶力は強い武器の1つだと思う。
2、【狂気】の天才
彼の【狂気】の才能の最たるは、圧巻の『憑依力』と、『異脳』と呼ばれる第2の脳。
これに尽きる。
せいやさんの『憑依力』を構成するものとして、まず〔動き〕。
面白い動きを瞬発的に生む発想力と、中高のサッカー部で培われた、劇場何ステージ分もの動きをこなしたり、伝説の2時間ポケひみ回を走破する体力。憑依し続けられる持続力。
そして変幻自在な〔声〕を支える声帯がめちゃくちゃ広い。数百のモノマネレパートリーを見ていても、1人の人間とは思えないほどの多彩な声を操る。
あとやっぱり〔表情〕。せいやさんは本当に表情豊かで、見ているとずっところころ移り変わっていく。「笑う」「怒る」という一つの感情でも、表情のバリエーションはいくつあるんだというくらい。無意識のうちに、気持ちをリアルに表情で表す術を発揮しているのだと思う。
「記憶力」が凄まじくても、外に出して表現しなければ笑いは生まれない。
アウトプットに必要な「動き」「声」「表情」という3つも最高に優れている、つまり
『憑依してアウトプットする』能力も持ち併せているせいやさんだからこそ、全てがばっちりとハマって、臨場感溢れるエピソードトークが生み出されている。
『すべらない話』MVSを最年少24歳で獲得したことからも、記憶と憑依が圧倒的なせいやさんのトークは本当に素晴らしいことが分かる。
また、話題になった『テセウスの船』真犯人役でも、普段とは全く違ったオーラを纏っていた。
せいやさんには本当にお芝居が向いていると思うのでたくさん経験していってほしいし、優れた憑依力をばんばん披露してほしい。
また、『異脳』とは脳のリミッターを外したような状態らしく。「単語ダービー」や「せいやのなんなんじゃそりゃ」などのピン芸、
ANN0リスナーに知らない者はいない伝説のコーナー「ポケットいっぱいの秘密」は
『異脳』によって披露されているという。
『異脳』は「語彙の情報量」であり、
「言葉」の狂気。
単語ダービーや面白○文字、「酒袋」や「第7世代」など今では馴染んだ新語を発明したりと、凡人では到底思い付かない発言をものすごい角度から放つ。
また、creepy nutsさんが訪れて下さった霜降りミキXIT、オールナイトニッポンで披露されていたように、せいやさんはラップが上手い。
「すまんチーズのこと考えてたわ」
「明日も明後日も来年も 目輝かして
2人で死んでいくんだよ!!」
エグすぎるパンチライン。考えて発したものではなく、『自分でも自分の脳みそを制御できない』という状態から生まれた刹那的なワード。
思い付いた単語をリズムに乗せて口に出す、そんなラップはせいやさんにとても向いていることが分かる。
少し脱線するが、霜降り明星は、音楽的な才能も群を抜いて優れているコンビだと思う。
昭和歌謡からアニソン、ボカロ、ヒップホップ、最新ヒットまで網羅しているうえに造詣も深く、2人ともギターが弾けて歌も一級。
緻密な作曲ができる粗品さんと大胆にいろんな言葉を織り込んで作詞ができるせいやさんなら、絶対に伝説を作ることができる。
凄まじいものが生まれると思う。
これからも続く芸人さんとしての人生の中で、ぜひ2人の名前がクレジットされた楽曲を聴きたいと願っている。
そして、「せいや」を語るのに欠かせない別人格「クレイジーマン」。
(最近は「霜降りミキXIT」でなぜかフォーカスされることが増えている)
見ていると、クレイジーマンはせいやさんの「非常装置」「切り札」的な位置づけで発動していることが多いと思った。
トークを落とすのが難しいとき、痛い所を突かれたとき、オチが見つからないとき、
笑いを必ず生み出せるクレイジーマンは強すぎるし、ギリギリの所で現れるからこそめちゃくちゃ面白い。
ストレートに言うと角が立つような発言を柔らかくする緩衝材のようなキャラでもあり、現れるだけで見せ場になる「必殺技」でもあると個人的に思っている。
3、【愛嬌】の天才
相方の粗品さんが、凄い所のラストにも挙げた「愛されるキャラクター」。
せいやさんのことを見ていると、日々この才能が随所に滲み出ているなと思う。
本当に所謂「天性の才能」。
石川晟也の全てが、たくさんの人に愛される要素だらけだ。
まんまるなフォルム、くりくりした瞳、そして太陽みたいに眩しい笑顔。
そんな可愛らしい見た目と、男前で器の大きい、長男気質と弟(赤ちゃん)らしさを併せ持つ圧倒的'''陽'''な性格が相まって、とことん
「ええ奴」。好かれまくる。
冷静でクールなキャラ、「尖ってる」と誤解されてしまいがちなシャープな見た目の粗品さんの相方として、せいやさんの存在は最高の中和効果を生む。
また、霜降り明星のボケ担当としても、
普段のバラエティで見せる、大衆受けするような明るいボケはもちろん、ボケが渋滞した場面では秀逸な例えツッコミで場を整えたり、
「お笑いG7サミット」では『異脳』が発揮されたコアなボケを魅せたりと、多岐に及ぶ笑いを器用にこなす。
先日の「サンジャポ」でも、田中さんの代打というイレギュラーな状況の中、初司会を堂々と務め、粗品さんだけでなくせいやさんもばっちりできることを証明した。
粗品さんが「俺やったら大ダメージ」と話す例の一件も、せいやさんの素のキャラクターが大いに影響している。
たくさんの人がオープンに弄れるネタになったのは、一件の内容、彼の内面、屈しないことを示した強さ、色々な条件が奇跡的な確率で重なった結果。
せいやさんには笑いの神様がついている、改めてそう思わされた一件でもあった。
2020年の上半期と少しでも、笑顔の似合う『ミラクルボーイ』の身に起こる事件は尽きない。
心の底から幸せそうな姿も、心ない言葉に傷付けられても必死に乗り越える姿も、画面の向こうから見てきた。
きっと、その向こう側ではさらに想像できないほどの激動があったはず。
そんな事件たちや過去の『貧』エピソード、大変な学生時代、これからの大成功やちょっとした失敗、たくさんの幸せ。
マイナスもプラスも何でも吸い込んで、どんどん大きくなって、エピソードトークに変身させて。『笑い』という明るいエネルギーに昇華するせいやさんはカービィみたいだ、といつも
感じる。
そんな彼はきっと、別の道を選んでも必ず幸せになっていたと思うけれど。
『霜降り明星 せいや』として芸人さんになってくれて、本当に嬉しいなと思う。
だってめちゃくちゃおもろい。
『せいや』という生き様全てが最高におもろい男の隣には、また最高におもろい『粗品』という相方がいて。
そんなコンビ、おもろいに決まってる。
2人で最高に幸せになってほしい。
28歳も応援させてください。
せいやさんなら大丈夫。